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Voicr Team · 2026年5月23日

プロダクトマネージャーが音声でPRDを爆速で書く方法

PRDの入力をやめよう。仕様書を一気に書き上げる実践的な音声ワークフロー — セクションごと、エッジケースまで。

プロダクトマネージャーが音声でPRDを爆速で書く方法

今朝、「PRD: [機能名]」というタイトルのNotionページを開いた。3時間経った今も、ページにはまだ「PRD: [機能名]」としか書かれていない。

問題は分かっている。解決策も分かっている。昨日エンジニアリングリードに2回も説明した。それなのに、いざ書き始めようとすると手が止まる。

これは思考の問題ではない。タイピングの問題だ。

PMはタイピングのために給料をもらっているわけではない。何をなぜ作るかを判断するために給料をもらっている。PRDはその判断をエンジニアリング、デザイン、経営陣が動けるかたちで残すための成果物にすぎない。それなのに、書く内容が分かってから書き終えるまでの間に、何時間も消えていく。

もっと速い方法がある。PRDはPMが書くなかでも最も音声向きのドキュメントだ。ホワイトボードの前で機能を説明するときに話す内容そのものに近い。PRDを「打つ」のをやめて「話す」ようになると、ドラフトにかかる時間は一気に縮まる。

誰も口にしないPMの「書き物税」

あなたが書くPRDは、ミーティング、ロードマップレビュー、ステークホルダーとのSlackスレッドと常に時間を奪い合っている。実際に書く作業は、無理やり捻出した30分か、夕食後の時間に押し込まれる。

数字で見ると残酷だ。平均的なタイピング速度は1分あたり約40語。話す速度は1分あたり約150語。文章を書くときの摩擦 — バックスペース、言い換え、一つの文を3回も書き直す迷い — を含める前から、すでに約3.5倍の差がある。

1,500語のPRDをタイピングすると90分かかるが、話せば約25分で終わる。考えていることは同じ。アウトプットも同じ。変わるのは手段だけだ。

PRDが音声入力にぴったりな理由

コード、表、財務モデルなど、多くのドキュメントは正確さを求められるため口述に向かない。PRDは正反対だ。物語型のドキュメントだから。

直近で書いたPRDを思い出してほしい。「課題」のセクションは、なぜそれが重要かを2段落で説明する。「ソリューション」は、それがどう動くかの説明だ。「ユーザーストーリー」は「Xとして、Yをしたい。理由はZ」という形式の文。「エッジケース」は「〜が起きたらどうなるか」のシナリオのリスト。

どれもキーボードの正確さを必要としない。すべて、ミーティングで自然に話す内容だ。フォーマット自体が、PMが普段仕事を伝える話し方とすでに一致している。

セクションごとにラベルが付いたPRDドキュメントから吹き出しが伸び、プロダクトマネージャーが課題定義、ユーザーストーリー、エッジケースを音声で吹き込む様子

30分でPRDドラフトを書き切るワークフロー

うまく回る型はこれだ: 1. 空のドキュメントを開き、セクション見出しを先に並べておく: 課題、ソリューション、ユーザーストーリー、受け入れ基準、エッジケース、対象外、未解決の論点。 2. セクションごとに進める。新しく入ったエンジニアに説明するつもりで、それぞれを口述する。 3. 話しながら編集しない。「話し手」と「編集者」を行き来する切り替えこそが、いちばん速度を奪う。 4. すべてのセクションを話し終えたら、ドラフトを上から下まで一度通して読む。表現を引き締め、明らかにおかしい箇所を直す。 5. レビューに回す。

肝はステップ3の規律だ。途中で文を直し始めると、せっかくの速度メリットは消える。タイピングと同じ速度に逆戻りで、形だけ違う作業になってしまう。

セクション別: PRDの各パートをどう口述するか

口述しやすいセクションとそうでないセクションがある。それぞれへの向き合い方を見ていこう。

課題定義

ここがいちばん口述しやすい。完全に物語だ。何が壊れていて、誰にとって壊れていて、なぜいま重要なのかを説明する。

朝のスタンドアップで新しいチームメイトに状況を共有するつもりで話そう。ユーザーセグメント、彼らがぶつかっている摩擦、影響している指標に触れる。文章としての美しさは気にしない。それは編集の仕事だ。

ソリューション概要

ホワイトボードでスケッチするように、提案するソリューションを順に説明する。「ユーザーがここをクリックして、これが表示されて、その後…」。声に出してそのまま説明できる内容だから、音声入力との相性が抜群にいい。

ユーザーストーリー

ユーザーストーリーは「Xとして、Yをしたい。理由はZ」というパターンのせいで機械的に聞こえるが、フォーマットを守る覚悟さえあれば口述向きだ。1つのストーリーを1文で言い切り、次に進む。

10個ストーリーがあるなら、10個を一気に話す。話しながら番号を振らない。整形はドキュメントエディタやAIの後処理に任せればいい。

受け入れ基準

リストは音声入力でいちばん厄介な部分だが、対処法はある。アプローチは2つ。

1つ目は、基準を普通の文で口述してAIの整形にリスト化させる方法。たとえば「ユーザーは日付、ユーザー、ステータスで結果を絞り込めるようにする。フィルタの状態はセッションをまたいで保持される。空状態のときはヒントを表示する」と話す。

2つ目は、箇条書きの構造を明示的に話す方法。「箇条書き1、日付で絞り込み。箇条書き2、ユーザーで絞り込み。箇条書き3、セッションをまたいで保持」と続ける。口に出して違和感が少ないほうを選べばいい。

エッジケース

こここそ音声入力が本領を発揮する場面だ。エッジケースは「考えながら口に出す」たぐいの内容で、話せばきれいに出てくるのに、打とうとすると不格好になる。「ユーザーがオフラインだったらどうする」「データが古かったらどうする」といった問いは、書くより話すほうがずっと自然に出てくる。

思いつくエッジケースは、当たり前に見えるものまで全部口に出しておく。剪定は編集のフェーズでやればいい。

対象外

3文。多くて4文。音声なら1分もかからない。

未解決の論点

このセクションは過小評価されている。「不安に見えるのが嫌」だから多くのPMが省略する。やめておこう。未解決の論点こそ、エンジニアリング、デザイン、上長があなたの考え漏れを拾ってくれる場所だ。

ここは音声入力との相性が抜群にいい。未解決の論点は、まさに「話せばすんなり出るのに、書こうとすると妙に重く感じる」半端な考えの集合体だ。明らかに答えがある気がするものまで含めて、不確実なことは全部口に出して残す。半分は次のスタンドアップで解消する。残り半分は、ローンチを救うかもしれない。

セクションごとにトーンを合わせる

PRDは一つの声で書かれるものではない。冒頭のエグゼクティブサマリーは引き締まった戦略的なトーン。技術仕様は正確で硬め。未解決の論点はもう少しカジュアルでいい。

口述するとき、人は自然と語調を切り替える。戦略を語るときは少しフォーマルになり、エッジケースを話すときは緩む。問題は、ほとんどの音声入力ツールが文脈に関係なく同じ平板な文字起こしを返してくる点だ。

ここで効いてくるのがVoicrのSmart Rulesだ。ドキュメントエディタには「クリーンでプロフェッショナルな仕様書」スタイル、Slackスレッドには「カジュアルなブレスト」スタイル、エンジニアリングのwikiには「テクニカルで明快」スタイルといった具合に、用途別の設定ができる。Voicrは開いているアプリを判別して、適切なスタイルを自動で適用する。だから同じように話した内容でも、出力先によって違う仕上がりになる。

PRD用には、整ったプロフェッショナルな文章にし、フィラーを削り、合図した箇所を箇条書きに整える — そんなルールを組んでおく。一度話すだけで、推敲を重ねたかのような文章としてドキュメントに残る。

音声が向かない場面

正直に言うと、PRDのすべてのパートで音声が有利なわけではない。

表やマトリクスは、いまでも打ったほうが速い。機能比較表、権限マトリクス、見積もり表が入るなら、そこは手で打とう。

厳密なテクニカル文字列も打ったほうが速い。APIエンドポイント名、データベースのカラム名、バージョン番号などは、「エンドポイントは、スラッシュ、users、スラッシュ、ID」と言って回避することもできるが、ぎこちない。これらは打つに限る。

図はそもそも口述できない。使い慣れたツールで描いて埋め込もう。

それ以外 — 物語、ユーザーストーリー、エッジケース、意思決定、根拠 — は音声が速度で勝つ。しかも、完璧な言い回しを探して文の途中で止まる、ということが起こらない。

完成したPRDが映ったMacのノートパソコンの隣に置かれた25分タイマー。1回のセッションで仕上げる音声ドラフトのワークフローを示している

マインドセットを切り替える: まず話す、編集はあとから

PRDを口述することで得られる最大のメリットは、WPMの計算ではない。書きながら磨こうとするのをやめられることだ。

タイピングをしていると、バックスペースを押す。同じ文を2回書き直す。「ほぼ正しい」段落を10分眺めてしまう。PRDが死ぬのはそこだ。下書きと編集の間、どちらも完了しない谷間に消えていく。

口述するときは、コミットする。文を言い切る、ページに着地する、次に進む。最初のパスはタイピングしたときよりも荒い。それでもドラフトは最後までいく。完成した粗いドラフトのほうが、磨かれた未完のドラフトより圧倒的に役に立つ。

ドラフトさえ存在すれば、編集は別物のずっと速い作業になる。口述より編集に時間を使うことも多いだろうし、それで構わない。完成したドキュメントを磨くのは、勝手の分かった仕事だ。白紙のドキュメントを睨むのはそうではない。

次のPRDで試してみよう

ずっと先送りにしているPRDを1本選ぶ。ドキュメントを開き、セクション見出しを並べ、編集せずに上から下まで口述する。25分のタイマーをセットしよう。仕上がりを見てみる。

初めてやるときは違和感が強い。「これで足りているのか」と不安になる。途中で直したくなる衝動には抗おう。とにかく最後までいく。

口述した内容を、ほぼ編集なしで仕上がるレベルまで持っていきたいなら、Voicrが後処理を自動でやってくれる。MacのどこからでもFNを押しっぱなしにして1セクション話し、離せば、整えられたテキストがドキュメントに貼れる。フィラーを削り、文法を整え、考えをクリップボードに届く前に構造化する。午後いっぱいかかっていたPRDのドラフトが、1回のセッションで終わる。

PRDが勝手に書き上がることはない。だからといって、打って書く必要もない。